税務コラム

個人で開業するメリット・デメリットについて



個人事業開業届

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個人事業主とは、法人格をもつ株式会社や合同会社を設立せずに、個人として事業を行う経営者のことです。

創業においては、個人として事業を立ち上げるか、法人として立ち上げるかの選択を迫られますが、双方のメリット・デメリットをしっかりと把握した上で、選ぶべきです。

このコラムでは、個人で開業した場合のメリット・デメリットを解説いたします。



個人事業主のメリット



(1)設立の手続きが楽

個人の場合は、開業届けを出すだけで、個人事業主になることができます

対して法人の場合は、定款作成・登記が必要で、手数料もかかります。加えて、事業廃止の際にも解散登記、公告等の手続きを求められます。


(2)税務処理も法人と比べて簡易


法人の場合は、税務が個人よりも複雑になります。社会保険などの手続きなど事務処理も煩雑になるので、それを遂行するスタッフを雇う必要が出てきます。

個人事業主の場合は年に1度、年間の事業収支を計算し、所得税額を計算する「確定申告」が必要ですが、これらの手続きは自身で行うこともできます


(3)社会保険への加入義務がない

法人の場合、健康保険と厚生年金保険への加入義務がありますが、個人事業主の場合に支払う国民健康保険・国民年金と比較すると負担額が多いと言えます。


(4)条件付きで交際費を全額損金にできる

個人事業主の場合、事業に関連性があれば交際費を全額損金にできます

対して法人は、飲食代に限って50%の費用を損金に算入できるだけです。(資本金1億円以下の企業は年間800万円まで全額損金に算入可能。)



個人事業主のデメリット



(1)対外的な信用度は法人よりも低い

一般的には同じ事業であれば、個人よりも法人の方が、信用度は高いと言えます。
取引先を法人に限定している企業もあるほどです。

また、国内には正社員として企業に属したい人が多いため、人材募集の点でも不利と言えるでしょう


(2)節税面で不利

企業の利益に掛かる法人税は一定ですが、個人の所得に対して課税される所得税は、累進課税がとられているため、所得が増えるほど上がります

所得税の税率は最高で45%ですが、一律10%である住民税の税率と合わせると55%もの税金を負担しなければなりません。

対して、法人に課税される法人税や住民税・事業税の税率は所得金額により大きく変動することなく、実効税率は約34%とほぼ一定です。

そのため、年間の所得がある程度高い場合は、法人化した方が節税になるケースが出てきます。

また、法人の方が経費に認められる範囲が広い点も大きいと言えます。


(3)赤字の繰越年数が少ない

個人事業主は赤字の繰越が青色申告の場合で3年までしかできませんが、法人の場合は9年まで可能です。



個人事業主の場合は税理士は不要?



税務が簡易になるという理由で、「個人事業主の場合に税理士は不要では?」と考えるかもしれませんが、一概にそうとも言えません。

個人事業主の場合、年間の確定申告において、税金の計算や帳簿付けをしなければなりませんが、この作業は一定のルールに従って正しく行う必要があります

税理士であれば正確な記帳ができるので、税務署から指摘を受けたり、延滞税などのペナルティを心配する必要がありません

また、申告時期になっても慌てることがなく、経営に専念することができます
 
資金繰りの相談や融資のサポートなど、様々なメリットがあるので、個人事業主であっても税理士を雇うことには意味があります。



まとめ



個人で開業する際のメリット・デメリットについて解説いたしました。

開業を行う際にどちらが良いのかは、ケースによるので、絶対的な正解はありません。

不安な場合は、スタートアップ前から専門の税理士に相談してみても良いでしょう。




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